企業法務コラム

ニューホライズンキャピタル、製造業向けファンド創設。プライベートファンドの長所が活かされるか

国内プライベート・エクイティ・ファンド大手のニューホライズンキャピタルは、中小機構などと協力し、中堅・中小製造業向けの再生ファンドを近く創設する。投資枠は最大150億円。中小機構が最大40億円出資するほか、地方銀行、国内外の大手機関投資家から資金を呼び込む。主に技術力のある機械、自動車、電機などの部品メーカーが再生の対象。すでに10―15件の投資候補があるという。

※参考
2012年11月05日 日刊工業新聞
「ニューホライズンキャピタル、製造業向け再生ファンドを中小機構などと創設」
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520121105abat.html

(評)
中小企業金融円滑化法が13年3月に終了する。円滑化法により支払猶予を得た企業の中には、提出した経営改善計画が順調に推移していない(2割の下振れは実抜要件に該当しないのが基本)、中には経営改善計画書すら出していない企業がある。
こうした中、高い技術を持ちながら、経営に行き詰まる会社を破たんさせては社会的にマイナスとなる。技術が切り売りされ、中国企業の下に行かせるべきではないという国益的観点もある。高い技術を持つ企業を、高い専門性を持つファンドが経営陣と一緒に経営計画策定に関与し成長を支援する仕組が要請される。
プライベートファンドは、中長期での投資、友好的買収が主であり、綿密なデューデリ後投資を実施し、取締役も派遣して経営に積極的に関与するというもの。こうしたファンドの長所が活かされれば企業の再生にもプラスになる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年11月06日
法律事務所ホームワン