企業法務コラム

大手2行、派遣法改正に伴い派遣事業撤退へ

銀行大手の三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループが、今年度末までに系列企業が行う派遣事業から撤退する方針を固めたという。
労働者派遣法の改正で、グループ内の派遣会社から系列各企業への派遣割合が8割以下に規制されたための措置で、両社は在籍する派遣社員計約1万8千人について、順次直接雇用に切り替える見通しだという。

※参考
2012年12月24日 msn産経ニュース
「大手2行、派遣事業撤退へ 法抵触の恐れ、1万8千人順次直接雇用」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121224/biz12122411300004-n1.htm

(評)
同改正法は平成24年10月1日から施行されているが、施行日以降に開始する事業年度から適用される。従前は非正規雇用は正規雇用を補完する存在であったが、今では、職種によっては、非正規雇用の方が雇用の中核を担っている。本年8月10日に交付された改正労働契約法でも、5年超の有期労働契約の無期労働契約への転換、雇止め法理の法定化、労働条件の不合理な差別の禁止等が規定されたが、同じ流れの中での法改正だ。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年12月28日
法律事務所ホームワン