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経産省、子ども服の安全性に関するJIS規格の策定に着手
経済産業省は2013年度から子ども服の安全性に関する日本工業規格(JIS)の策定に着手する。
東京都が2006年に、1000人あまりの親を対象に行った調査では、77%の人が、こども服によるケガの危険を感じ、うち、上着のフードについては、20.9%。上着の首周りのヒモは、13.7%、ズボンの裾の部分のヒモについては、15.3%の親が(複数回答)危険を感じていた、との結果が出ている。全日本婦人子供服工業組合連合会は08年以降、子供服の安全指針を策定し、「7~8歳未満の服はフードや襟首にひもを付けないことが望ましい」などと定めていたが、服飾業界では通販専門の事業者が増えたこともあり、自主規格では限界もあり、標準規格を策定する。15年度までに規格を定める計画だ。
なお、アメリカで、1985年からおよそ10年の間に、こども用の上着のヒモが原因となった死亡事故だけで、17件おきており、特に、ヒモについては、米国、EU、韓国等が年齢に応じて、何らかの公的な安全規格が決まっている。構造上の危険性が高いフードやひも、ズボンの長さなどの仕様を規定する方針で、欧米等のこうした安全規格も参考にする。
※参照
2013年3月11日 中小企業基盤整備機構 J-net21
経産省、子ども服に安全規格-JIS策定に着手
http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20130311-10.html
2012年10月23日 NHK解説委員室 解説アーカイブス
「くらし☆解説「防ごう こども服による事故」」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/135548.html
(評)
日本では、本来は行政が規格を定めるべきところを、行政の過度の関与を嫌い、行政指導の下、業界の自主基準が作られ、行政もこうした自主基準に任せる手法が多かった。しかし、最近は、商品の流通ルートの中でネット通販の比重は増える一方だ。こうした業界団体を通じてのルール作りが限界にきている。今回のJIS規制の動きはその好例と言える。
商品の安全性についての国際競争力を高める上でも、こうした配慮は重要だ。日本の輸出品が競争力を持つには、高付加価値が求められ、付加価値の中でも安全性は大きなウェイトを占めている。欧州はLoHS指令(有害物質使用制限指令)等、安全基準が厳しいが、これは「安全」だけでなく、「国際競争力」への配慮もあってのこと。韓国はこうした動きに敏感で、子供服規制でも韓国が先行している。日本の業界ルールでは国際的に信任は得られない。行政も業界もアンテナを磨く必要がある。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年03月14日
法律事務所ホームワン