企業法務コラム

経産省、美容家電の安全基準を整備 成長分野の育成目的も

経済産業省は2013年度初頭から、パナソニックやシャープなどと協力して美容家電製品の安全基準整備に着手する。まず13年度末に業界の自主ガイドラインを作成し、その後3年程度で規格化を完了する方針だ。
家電大手などが加盟する日本ホームヘルス機器協会(東京都文京区)が経産省の委託のもとで、美容家電の安全規格開発に向けた事前調査を5―6月に始める。まず、美顔器と呼ばれる美容家電の安全基準を整備する。

※参照
2013年3月21日 中小企業基盤整備機構 J-net21
美容家電に安全基準-経産省、メーカーと協力
http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20130321-10.html

(評)
電気製品の安全については電気用品安全法という法律がある。全ての家電製品が対象となっているわけではなく、同法律は455品目を「電気用品」に、そのうち116品目を「特定電気用品」に指定している。電気用品は、製造、輸入業は届出制とされ、国が定めた技術基準を順守するよう義務づけられているが、さらに特定電気用品となると、電気安全環境研究所の適合性検査を受け、同検査に合格した証たるPSEマークを商品に貼らないと販売を認められない。
消費生活用製品安全法が同じような規制をしているが、消費者庁ではなく、経産省が規格化を言っているので、電気用品安全法の指定対象の拡大の動きだろう。美顔器を電気用品の指定にとどめるのか、さらに特定電気用品の指定まで考えているのかはこの記事からは不明だ。
国際競争力を失った家電業界で、美容家電は電機メーカーにとって数少ない成長分野とされ、この育成も目的とした動きのようだ。

電気用品安全法についてはこちらを参照。
平成24年5月31日 経済産業省 製品安全課
「電気用品安全法 法令業務実施ガイド~「電気用品安全法」のご紹介~」
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/denan_guide.pdf

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年03月25日
法律事務所ホームワン