企業法務コラム

国交省、海外建設市場データベース運用を開始 

国交省は、4月30日より、アジアを中心とした18の国・地域における建設業の許可制度や外資規制等、海外で建設業を行う上で必要となる情報をまとめた海外建設市場データベースの運用を開始する。開示されるデータは次の事項
(1) 建設業許可制度
(2) 建設業に係る外資規制
(3) 入札契約制度
(4) 主な公共発注者
(5) 在外公館において収集した建設産業情報

(評)
国内建設需要はピーク時の半分になっており、ゼネコン等も海外進出を加速させている。
しかし、海外建設プロジェクトに係る契約制度に不慣れで、リスクの軽減が十分行われず、せっかく受注できても、採算割れになっているケースが多いという指摘もある。特に、物価変動を建設費に反映する「エスカレーション条項」がないまま工事を請け負い、資材高騰等により巨額の損失を追うケースが多い。契約・リスク管理等の我が国企業のマネジメント力の強化が急務である。
そのためのインフラ構築も必要だ。海外建設プロジェクトの紛争処理ビジネスは、英豪系弁護士の独壇場。海外建設プロジェクトに精通し契約管理に明るい日本人弁護士の育成が重要だ。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年05月02日
法律事務所ホームワン