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熱中症に気をつけて 労災を防ぐため、埼玉労働局が呼びかけ
埼玉労働局は熱中症による労働災害を防ぐため、リーフレットを作成し、事業者等に熱中症予防を呼びかけている。
同局によると、県内の熱中症による休業4日以上の死傷者は平成22~24年度の3年間で83人(うち死亡6人)。業種別では建設業21人、製造業18人、運輸業13人などで、時間帯別では午後2時台~同5時台に集中している。月別では7月が32人、8月は45人。
※参照
2013年7月19日 msn産経ニュース
熱中症の労災予防訴え 埼玉労働局
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130719/stm13071922140001-n1.htm
インターネット上で入手できるマニュアルとして以下のものを参考にされたい。
・環境省作成「熱中症環境保健マニュアル・2011年5月改訂版」
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html
・厚労省作成「職場における熱中症予防対策マニュアル」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0906-1.html
・厚労省作成「熱中症予防リーフレット」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000335ag-att/2r985200000335bx.pdf
(評)
高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かないことにより、体内に熱がたまり、筋肉痛や大量の発汗、さらには吐き気や倦怠感などの症状が現れ、重症になると意識障害などが起こる。これが熱中症だ。
先週から今週にかけて、暑さがぶり返してきているこんな時期だからこそ警戒が必要となる。上記ニュースでも、埼玉労働局の担当者は「熱中症の死亡災害は5割以上が仕事を始めて7日以内に発生している。仕事は7日以上かけて慣らしてほしい」と訴えている。
熱中症については次の点を意識することが重要だ。
1 梅雨明けの猛暑、涼しい日が続いた後の猛暑の時期に発生しやすい
2 個人の体調も影響する
3 屋外で活動しているときだけでなく、室内で特に何もしていなくても熱中症を発症する
4 熱中症は適切な予防をすれば防げる
5 熱中症になった場合も、適切な応急処置により救命可能
6 本人の自己申告だけでなく、まわりの注意も重要
●予防策
日中の屋外では、できるだけ日陰に入る。帽子をかぶる。長袖シャツを着るなど、肌の露出を減らす。
こまめに水を飲む。休憩を多めにとる。
屋外で肉体労働するような場合は、昼休みには水浴びをし、冷所で昼寝することも必要だ。高温多湿の東南アジアでは、長めの昼休みをとり、帰宅し、水を浴び、ランチをとった後は昼寝をするなどというところもあるが、これは身を守るための生活の知恵と言っていいだろう。
●熱中症の早期発見
Ⅰ度(現場での応急処置で対応できる軽症)
・めまい・失神・立ちくらみ
脳への血流が瞬間的に不充分になったことから生じる。
・筋肉痛・筋肉の硬直
太もも、ふくらはぎなどに多発。痛みを伴う硬直で、「こむら返り」ともいう。
発汗に伴うナトリウムなどの欠乏により生じる。
・大量の発汗
Ⅱ度(病院への搬送を必要とする中等症)
・頭痛
ズキンズキンとする頭痛
・気分の不快・倦怠感・虚脱感
体感的には「体がぐったりする、力が入らない」などという症状。
・吐き気・嘔吐
・発汗がない
皮膚が赤い、乾いている等の症状としても現れる
発汗していれば初期症。発汗が止まるということは、既に体温調節機能が失われているということ。
Ⅲ度(入院して集中治療の必要性のある重症)
・意識障害
呼びかけや刺激への反応がにぶい、とんちんかんなことをいう
・痙攣
体にガクガクとひきつけがあるなどの症状
・手足の運動障害
真直ぐ走れない・歩けないなどの症状
・高体温
体に触ると熱いという感触です。
Ⅰ度の症状があった場合の現場の対応
・すぐに涼しい場所へ移り体を冷やすこと、衣服を脱がす、水分・塩分を補給すること
・誰かがそばに付き添って見守り、改善しない場合や悪化する場合には病院へ搬送する
Ⅱ度になったら、すぐ病院に搬送しましょう
Ⅲ度に急変してからでは手遅れになる恐れがある
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年07月24日
法律事務所ホームワン