- 銀座の弁護士による企業法律相談TOP
- 企業法務コラム
- 企業庁、「ものづくり補助金」2000億円超の予算を計上
企業庁、「ものづくり補助金」2000億円超の予算を計上
経済産業省・中小企業庁は、中小企業の技術開発を後押しする「ものづくり補助金」として、2000億円超の予算を計上する方針を固めた。試作品開発や設備投資などに必要な経費について、最大1000万円(補助率3分の2)を補助する現行制度の支援上限を2000万円に引き上げる。
ただ、実現には経済産業省が例年当初予算で投じる中小企業対策費総額を上回る予算を伴うため、2014年度予算の概算要求には盛り込まず、13年度補正での措置を視野に入れている。
試作品開発や設備投資、テスト販売といった取り組みに加え、販路開拓の取り組みも新たに支援対象に加える方針だ。
※引用
2013年8月16日 J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト
企業庁、中小支援に2000億円超-「ものづくり補助金」上限倍増2000万円
http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20130816-09.html
(評)
12年度補正予算で実施された「ものづくり補助金」は、その仕組みに対して批判もあった。
まず第一に「顧客ニーズにきめ細かく対応した競争力強化」のための試作品の開発、設備投資」という応募条件が、元請け企業からの要請に応じた技術開発といった、中小企業=下請企業と言う旧態依然として中小企業観に基づいていることだ。下請けでいる限り、元請けが価格交渉力を持っているため収益性がなく、生産量も元請けの生産量に左右されなければならない。優秀な中小企業ほど、下請けから脱して、自分の技術力を生かした新製品を作り出したり、自社製品を海外企業に売り込んだりして、売上と収益力を向上させている。むしろそうした企業に補助金を交付すべきだという意見が当然出てくる。
もう一つは対象が製造22業種に限られていること。現在雇用面でも、経済的影響力の面でも、非製造業が製造業を上回っている。にもかかわらず、製造業の研究開発にだけ補助金を支給するのは時代遅れだとい指摘だ。
新しい補助金は「ものづくり」という名前が外されている可能性が高い。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年08月22日
法律事務所ホームワン