企業法務コラム

地域支援機構 支援先企業の債権買取も

政府系ファンドの地域経済活性化支援機構の機能を強化する改正機構法が14日、施行された。機構は普通株や優先株など「投資」で地方再生を後押しするファンドだが、今回の改正は投資回収を確実にするため、企業への専門家派遣を解禁廃業や転業を望む経営者から債権を買い取る“サービサー”業務も始める。

※参照
2014年10月14日 日本経済新聞
地方再生へ転廃業支援 地域支援機構の改正法施行

(評)
ネタは古いが、重要と思われるのでアップした。
株式会社地域経済活性化支援機構法は、第1条において、同機構の目的を次のように規定している。
株式会社地域経済活性化支援機構は、雇用機会の確保に配慮しつつ、地域における総合的な経済力の向上を通じて地域経済の活性化を図り、併せてこれにより地域の信用秩序の基盤強化にも資するようにするため、金融機関、地方公共団体等と連携しつつ、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている中小企業者その他の事業者に対して金融機関等が有する債権の買取りその他の業務を通じた当該事業者の事業の再生の支援及び地域経済の活性化に資する資金供給を行う投資事業有限責任組合の無限責任組合員としてその業務を執行する株式会社の経営管理その他の業務を通じた地域経済の活性化に資する事業活動の支援を行うことを目的とする株式会社とする。
すなわち、多くの雇用を抱え、地域社会で重要な役割を負っている中小企業が、経営危機にあるようなとき、金融機関と連携して地域ファンドを組成し、当該ファンドをして金融機関の当該企業に対する貸付債権を購入させ、長期の返済を認めるか、株式に転換する等して、当該企業を救済しようという機関である。機構が買うのは、これまでは銀行等が当該企業に対して有する貸金債権に限られていたが、改正法により、当該企業が他の事業会社に有する債権をも買えるようになったということになる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年11月05日
法律事務所ホームワン