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携帯解約金は適法 最高裁が判断
「携帯電話の2年契約プランを途中解約した場合の解約金が消費者契約法に違反するかが争われた3件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は15日までに、消費者団体側の上告を退ける決定をした。」「決定はいずれも11日付」「NPO法人「京都消費者契約ネットワーク」(京都市)などがNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社を訴えていた」「3社はいずれも2年間の継続利用を条件とした割引・格安プランを導入している」「契約は自動更新され、途中で解約すると9500円に消費税を加えた解約金が請求される」
※参照
2014年12月16日 日本経済新聞
携帯電話の中途解約金は適法、最高裁 大手の2年契約巡り
(評)
本件は裁判所のホームページには掲載されていないため、日経新聞でその内容を推測するしかない。
争点となったのは、消費者契約法10条の「消費者の利益を一方的に害するもの」と言えるかどうか。
当該条項の定める解約金が、会社が受ける損害金を大幅に上回る場合、逆に言えば、会社の損害を大幅に上回る金額を解約金として請求するような場合は、同条に言う「消費者の利益を一方的に害するもの」に該当し、当該契約条項は無効となる。
本件2審の大阪高裁は3件とも「消費者が支払う解約金が解約で会社が受ける損害より安価」と認定し、同条に該当しないとしていた。
ところで、NPO法人「京都消費者契約ネットワーク」は、適格消費者団体。適格消費者団体とは、消費者全体の利益擁護のために、消費者契約法10条違反の契約があれば、差止請求権を行使できる。
以下の適格要件を満たしているかどうかについて、内閣総理大臣の認定を受けた団体である(消費者契約法第2条第4項)。
特定非営利活動法人又は民法34条に規定する法人であること
不特定多数の消費者の利益擁護のための活動を主たる目的とし、その活動を相当期間継続して適正に行っていること
体制及び業務規程が適切に整備されていること
理事会の構成及び決定方法が適正であること
消費生活の専門家及び法律の専門家が共に確保されていること
経理的基礎を有すること 等
同団体は3年の更新制で、内閣総理大臣による監督措置(報告徴収・立入検査、適合命令・改善命令・認定の取消し等)を受けることがある。
情報公開措置が定められ、財務諸表等の備置きが求められ、消費者庁及び国民生活センターが消費者適格団体が得た判決及び和解等の概要を公表する。
(参考)
消費者契約法10条
民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2014年12月24日
法律事務所ホームワン