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中国政府、レアアースの採掘を国有企業に限定へ
6月2日付のチャイナ・デーリーによると、中国政府は、違法採掘の取り締まりキャンペーンの一環として、レアアースメタル(希土類金属)の採掘を数社の国有企業に限定する見通しである。工業情報院と中国国家発展改革委員会(NDRC)が国務院(日本の内閣に相当)に計画の草案を提出した。
レアアースは、日本が強みを持つエコカーや省エネ家電、産業機械などに不可欠な存在であり、まさに日本の命綱といえる。その生産量の97%を占めるのが中国である。しかし、主な産出地である南部では違法な採掘業者が多く、特に「広東省では9割が違法」といわれるほどで、乱開発による環境破壊が深刻化していた。当局はこれまで静観していたが、今年に入って取り締まりを本格化させ、違法採掘を軒並み閉鎖に追い込んだ。
その結果、価格が上昇している。そこで、5日付の日経新聞朝刊では、三菱商事がレアアースの資源開発に乗り出すと報じており、中国依存から調達先を多様化することで、将来の供給懸念を軽減するとしている。
注:レアアース 合金に混ぜることで素材の性能を高める調味料のようなレアメタルで、磁力を強めるネオジムや高温でも磁力を保つジスプロシウムなど17に分類される。
※ 参照ニュース
5月12日 ダイアモンド・オンライン
「中国レアアース鉱山が続々閉鎖 日本経済の命綱に供給不安」
6月2日 プレジデント・ロイター
「中国、レアアースメタル採掘を数社の国有企業に限定へ=現地紙」
8月5日 プレジデント・ロイター
「三菱商しっかり、エコカー向け希土類の資源開発との報道」
2010年08月23日
法律事務所ホームワン