企業法務コラム

環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を検討

10月8日に首相官邸で開かれた新成長戦略実現会議(議長:菅直人首相)で、菅首相は米国など11ヶ国による環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を検討し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議までにまとめる経済連携推進の基本方針に盛り込むよう指示した。自ら議長を務めるAPECで市場開放への積極姿勢を訴えたい意向のようである。

ただTPPへの参加は、打撃を受ける農業関係者から不満が噴出しているだけでなく、小沢一郎元幹事長に近い勢力との確執により民主党内で路線対立が激化しており、国内調整は難航している。

菅首相は10月1日に行われた所信表明演説で突如TPPへの参加を表明したが、その裏には、韓国や中国のFTA戦略に後れを取っていることへの危機感を募らせる経済界からの要請があり、さらには中国へのけん制が潜む。TPPは米、豪、ベトナムなど中国と一定の距離を置く国が中心である。

※ 参照ニュース
10月9日 ウォールストリートジャーナル
「環太平洋連携の参加検討=政府の成長実現会議」

2010年10月27日
法律事務所ホームワン