企業法務コラム

国交省、被災3県と合同で建設業者に特別立ち入り検査実施へ

国土交通省は11月19日、被災3県と合同で、建設業者に対する特別立ち入り検査を3県で11月下旬より始めると発表した。復興需要を当てにして、被災3県に新たに営業所を設置する他県業者が増加している。4月~8月の5カ月間で368営業所が新設された。こうした中、労災が2割増加したり、下請業者への代金が支払われなかったり、暴力団が労働者派遣を行ったりする事案が目立ってきている。新規参入業者の中に、不良業者が入りこんでいると考えられ、国交省も監督強化を図ったものだ。

※参考
国土交通省ホームページ 報道発表資料
「復旧・復興工事に係る法令遵守の徹底」
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000181.html

(評)
東日本大震災から1年8カ月が経つ。しかし11年度の震災復興予算15兆円中、執行できたのはわずか6割。が、人手が追い付かない。人手が足りない分、売り手市場になり、その分不良業者の付け入るすきが出てきたと言えそうだ。
昨年10月暴排条例が全国で施行され、ここに来て暴力団側からの揺り戻しの動きもある。国県の断固たる措置を期待したい。建設業法では下請け保護のため、下請法とは別に、諸規制が置かれている。下請けいじめについて、県は国に比べて動きが鈍いが、より積極的な対応が望まれる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2012年11月21日
法律事務所ホームワン