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大津・いじめ問題をめぐって。第三者委を立ち上げるのはなぜか
大津市で11年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市の第三者調査委員会(委員長・横山巌弁護士)は31日、調査報告書を越直美市長に提出した。生徒の自殺原因について「重篤ないじめ行為は、自死につながる直接的要因になった」と明記。滋賀県警が暴行容疑で書類送検するなどした同級生3人のうち、1人は関与が少なく「いじめとは認定しない」と判断した。また、学校・教育委員会の対応や報道のあり方について問題点を指摘し、再発防止策を提言した。
※引用
2013年1月31日 毎日jp
「大津・中2自殺:いじめが直接的要因…第三者委が報告書」
http://mainichi.jp/select/news/m20130201k0000m040050000c.html
(評)
企業等に不祥事が起きた場合、その過程で隠ぺい等があると、企業等が内部調査したのでは社会から信用されない。こういうときは、社会の信頼を取り戻すために、社外の委員だけをメンバーとする外部委員会を立ち上げ、これに調査を全て委ねることがよくある。第三者委員会とは、日弁連が2010年に策定した「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に従って構成された外部委員会を言う。
第三者委員会は、証拠に基づいた客観的な事実認定を行い、これを評価し原因を分析し、かかる調査結果に基づき、再発防止等の提言を行うのが、その役割だ。公正を保つために、企業等が払う報酬も成功報酬ではなく、タイムチャージなのが普通だ。
第三者委員会は、現役員に不祥事の責任ありと判断すれば、毅然と、報告書で役員の責任に言及することが求められている。
企業等が、現役員に火の粉が降りかかりかねない第三者委員会を立ち上げるのはなぜか。理由の第1は、企業等が、こうした委員会を立ち上げ、きちんと自浄作用を果たすことによって、初めて、信頼を回復し、自らの存続を図ることができることにある。理由の第2は社会的責任(CSR)である。企業は役員の所有物ではない。ステークホルダーには、株主、従業員、その家族、取引先、地域社会、消費者も含まれる。第三者委員会はこうした「全てのステークホルダー」の利益のため、行動することが期待されている。
当事務所のHPを参考されたい。
http://www.kigyouhoumu.info/service/riskmanagement/thirdparty.html
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年02月01日
法律事務所ホームワン