企業法務コラム

経営者保証規制強化へ 政府方針

政府は中小企業の経営者自身が融資の保証人となる「経営者保証」の規制を強化する。13年度中に策定する金融機関向け新監督指針では、企業が倒産して借入金を返済できなくなっても経営者に最低限必要な資産を残すことを認め、住宅や当面の生活費などの水準を具体的に定める。経営者の資産や収入に応じた担保総額の上限も設ける。
経営者保証を求めない融資手法の普及も促す方針。正確な財務諸表を期日通りに提出することを誓約するなど一定の条件を満たせば経営者保証を求めない「停止条件付き個人保証」はその一つとなる。

※参照
2013年5月 7日 中小企業基盤整備機構 J-net21
政府、「経営者保証」見直し-最低限の生活費など確保http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20130507-14.html

(評)
この記事は「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の改正に関するものだ。
米国では企業への融資に個人保証を求められることはない。個人補償が借り手のモラルハザードを防ぐ役割を果たしてきたことは否定しないが、起業や事業承継の阻害要因となっていることも事実だ。また、経営者が個人保証の追及を恐れるあまり、企業の破綻を先延ばしにしてしまい、企業の新陳代謝が阻害されるという社会的デメリットもある。
2011年7月の監督指針改正で、経営者以外の第三者保証が原則禁止されたが、より踏み込んだ形での改正になる。

※参考
金融庁ホームページ
http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/chusho/02d.html#02_09

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法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2013年05月08日
法律事務所ホームワン