- 銀座の弁護士による企業法律相談TOP
- 企業法務コラム
- 地籍整備で、民間事業者の測量に国が補助金新設
地籍整備で、民間事業者の測量に国が補助金新設
土地の境界等を明確にする地籍調査の進捗率は、平成23年度末現在、50%にとどまり、特に都市部(DID地区)では22%と進捗が遅れている。
国交省では、地籍整備推進調査費補助金制度を設けているが、同制度の利用の前提として、地方自治体が同補助制度を設けている必要があり、これがないために、普及が遅れていた。そこで平成25年度から制度を拡充し、地方公共団体が補助制度を設けていなくても、国が測量経費の1/3以内を直接交付することが可能となった。
補助金交付申請を次の要領で受け付けている。
2013年
5月20日 募集開始
6月28日 募集締切(応募受付期間中であっても募集を終了する場合あり)
7~8月 助成対象の選定
8月~ 測量(地籍整備推進調査)の実施
(評)
登記所に備え付けられている地図や図面は、 その半分ほどが明治時代の地租改正時に作られた地図などをもとにしている。このため境界や形状が現実とは異なり、土地の登記簿上の面積も必ずしも正確なものではない。 これを正す目的で行われているのが地籍調査である。地籍調査の成果は登記所にも送られ、登記簿の記載が修正され、地図も更新される。
地籍調査は、国土調査法に基づく「国土調査」の1つとして実施されており、その費用は国が2分の1、都道府県が2分の1、市町村が2分の1負担しており、国民の負担はゼロである。ただ、民間事業者も様々な目的で土地測量を行っており、この測量が国土調査と同等以上の制度があると認められたものであれば、これを公式の地籍情報として取り込む制度がある。これは「19条5項指定」と呼ばれるもので、国土調査法第19条5項により定められている。民間事業者にとっても、その結果が地籍情報という公式情報になれば、測量結果の信頼性が増すため有利である。そのため、同制度の利用を促すべく、一部の地方自治体は補助制度(地籍整備推進調査費補助金制度)を設けているが、設けていない自治体も多い。今回国は自治体が補助制度を設けていなくても民間事業者に対し「19条5項指定」の補助金を直接交付することにした。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年05月22日
法律事務所ホームワン