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小さな企業成長本部 行動計画を採択し閉会
平成25年6月4日、経産省の主導による「ちいさな企業”成長本部」の本部員会合が開催され、「“ちいさな企業”成長本部」行動計画を採択し、閉会した。
行動計画の内容は、中小企業、支援機関、国のそれぞれについて示されたが、最重要な国の行動計画を特に記す。なぜなら、今後の国の施策を示唆するものだからである。
行動1.地域に眠るリソースを最大限に活用・結集・ブランド化する
1. 創業から経営ノウハウに至る支援をワンストップで行う優れたコーディネーターを配置した「創業よろず支援」を順次展開する。
2. 支援ポータルサイトを通じた起業家ネットワークの創設・拡充、ビジネスコンテストの実施、創業塾の全国での開催などを通じ、地域のリソースを活用した起業・創業の担い手を拡大させる。
3. 地域資源を活用・結集させた創業を支援する「地域資源活用型創業支援制度」を創設し、あらゆる政策資源を投入し、総合的な支援を行う。
4. 地域ブランドを一層強化するため、地域資源の発掘・磨き込み・発信・市場開拓を一貫して行えるよう支援制度を拡充するとともに、地域ブランド管理、地域ブランドの対象物の品質管理、地域ブランドから生まれる利益を回収するメカニズムについて検討する。
5. 商店街などにおける商業インキュベーションの機能強化を図るとともに、起業・創業も含めた空き店舗等の有効活用を促す仕組みの整備を行う。
6. 現場実態に合わせた柔軟な労働環境の在り方や社会保険について負担の在り方を検討する。
7. 労働力として潜在性を有しながら、必ずしも十分にその能力が発揮されていない障害者や高齢者等の取り込みを促進する。
8. 女性・若者や即戦力となる企業OB、Uターン・Iターン人材と中小企業をマッチングする取り組みを拡充・強化する。
行動2.中小企業の新陳代謝を活発にする
行動1の1,2に追加して
1. 起業・創業に対する資金支援を抜本的に拡充する。
2. 創業当初の据え置き期間の延長を図るなど政府系金融機関の創業者向け融資を拡充する。
3. 認定支援機関による起業・創業計画の策定支援と併せた創業向け補助制度の拡充等を通じて民間融資を促進する。
4. 中小企業の各ライフステージ(創業、成長・発展、早期の再生着手、円滑化な事業承継、企業の再起等)における取組意欲を増進する個人保証制度の見直しを行う。
5. 事業承継、事業引継ぎ支援を抜本強化する。
6. 「事業引継ぎ支援センター」を全国展開する。
行動3.下請け構造から脱却し、自ら積極的に成長分野に参入する
1. 大企業の下請生産技術を前提とした中小ものづくり高度化法の22技術分野を見直し、医療、環境分野などの成長分野に中小企業が直接参入しやすくする。
2. 国際認証の取得に向けた業界経験者等の長期派遣や相談支援、支援機関、ITポータルサイト等を通じた情報提供を強化する。また、中古設備も含めた専用設備等の導入を支援する。
3. 中小企業と医療機関等との連携を支援する専門家の派遣と育成、薬事相談・申請費用の支援などにより、中小企業による医療機器開発・審査に係る費用低減と期間短縮を進める。
4. 「企業間連携促進会議」の設置や支援ポータルサイト・展示会の活用等により、大企業や異業種企業とのマッチングの場の整備と連携を促進する。
5. 地域の核となる人を発掘し、情報交換や交流の場を設けることにより、新分野展開に重要となる知識の共有と人的ネットワークの構築を図る。
6. 小規模な事業者の活用を念頭においた新商品開発に対する補助金制度を拡充する。
7. 下請中小企業の連携による取引先の自立的な開拓の取組等に対する補助金制度を拡充する。
8. 優れた技術・技能を有する外部人材を活用することで、ものづくり現場における技術・技能の継承を地域が一体となって支援するとともに、優秀な人材を確保するための職場実習(インターンシップ)の支援を行う。
行動4.海外に打って出る
1. 企業等OB人材を活用し、海外展開を目指す企業をハンズオンで一貫支援する体制を拡充・強化し、新たに1000社支援する。
2. 認定支援機関(金融機関等)への研修を通じ、国内相談窓口を強化するとともに、支援機関が連携し、有望企業を積極的に発掘・支援する。
3. 海外向けホームページ・決済・物流をパッケージで支援し、中小企業の情報を多言語で発信し、海外企業をターゲットにした新分野展開を促進する。
4. 現在、8ヶ国・10拠点に整備中の「現地支援プラットフォーム」を他の主要拠点(先進国市場、新興国市場、生産拠点)に拡大させる。
5. 法務・労務・知財問題等の専門サービス支援や万一の縮小撤退等のトラブルにも対応する。
6. 中小企業官民合同ミッション等の活用を進める。
7. 日本政策金融公庫が行う現地金融機関からの資金調達支援の強化を図る。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年06月14日
法律事務所ホームワン