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不動産鑑定評価基準等の改正動向
国土審議会土地政策分科会不動産鑑定評価部会は、平成25年6月24日付で不動産鑑定評価基準等の改正骨子(案)を取りまとめた。
・スコープ・オブ・ワーク概念の導入
・事業用不動産に係る規定の充実
・土地・建物一体の複合不動産につき、再調達原価(特に付帯費用)、経済的要因に基づく減価の取扱い、土地・建物の内訳価格を求める方法の明確化
・定期借地権の評価基準の整備
・継続賃料評価について、一般的留意事項の規定の新設、「直近合意時点」等についての規定の明確化、継続賃料固有の価格形成要因の明確化
※参考
国土交通省ホームページ 平成25年6月24日
不動産鑑定評価基準等の改正骨子(案)
http://www.mlit.go.jp/common/001001986.pdf
(評)
ここでは、スコープ・オブ・ワーク概念について説明したい。
不動産評価については、IVSC(国際評価基準審議会)がIVS(International Valuation Standards)という国際評価基準を策定している。これが、会計基準の国際的な整合化と連動し、国際的な統一基準と認知されつつある。
日本の不動産鑑定は、全ての点を網羅していないと不動産鑑定とは認められない。これを定めているのが「不動産鑑定評価基準」であり、これに従った評価でないと正式な鑑定評価として認められない。
これに対して、IVSでは、スコープ・オブ・ワークと言って、調査の範囲等について、依頼者との合意で定めて、これを前提として「市場価値」を求めるということが行われている。
日本の不動産鑑定はガラパゴス携帯に似ている。やたらいろんな機能がついているだけに、価格も高いし、作る手間もかかってしまう。スコープ・オブ・ワーク概念が導入されると、この点、不動産評価はより弾力的なものになる。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年07月03日
法律事務所ホームワン