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日銀短観6月調査 DI、設備投資計画大幅改善
7月1日発表の6月調査の日銀短観。DIは大企業製造業がプラス4で、3月の前回調査から12ポイントの大幅改善。9月予測はプラス10。
大企業非製造業はプラス12。6ポイント改善。9月予測はプラス12。
中堅製造業はマイナス4。10ポイント改善。9月予測はマイナス3。
中堅非製造業はプラス7。3ポイント改善。9月予測はプラス7。
中小製造業はマイナス14。5ポイント改善。9月予測はマイナス7。
中小非製造業はマイナス4。4ポイント改善、9月予測はマイナス4。
2013年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比5.5%増と、前回調査の同2.0%減から大きく上方修正された。
(評)
短観の数字は総じて好調。多くの業種で大幅改善となっている。
企業の設備投資も好調だが、NHKは「金融機関の間からは、生産能力を増やしたり、新規事業に進出したりするための設備投資の動きは鈍く、実体経済の回復のカギを握る設備投資は本格的な回復には至っていない」という声が多く聞かれる、としている。
政府の成長戦略では、2012年度で63兆円である民間企業設備投資を、年間70兆円にする旨が表明されている。しかし達成は困難だ。
東洋経済誌13年6月29日号の次の指摘が重要だ。
法人税を払っている企業は全体の27.7%。63兆円のうち法人税負担企業によるものがその27.7%であると考えれば、投資減税が効果を及ぼすのは63兆円×0.277=17.5兆円。他方、必要とされる総増加額は、70─63=7兆円である。これを法人税負担企業だけで実現するには、投資が現在より40%増加しなければならないが、こうした大幅な増加は、到底不可能だ。
ベンチャー企業は、創設後しばらくの期間は利益がないのが普通だ。したがって、法人税を支払っておらず、投資減税の効果も及ばない。減税の効果が及ぶのは、既存の企業である。「産業の新陳代謝を促す」という今回の成長戦略の目的から言えば、投資減税はむしろ逆効果と考えざるをえない。
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年07月04日
法律事務所ホームワン