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固定資産税 登録価格に関する新判例
固定資産税は課税台帳に登録された価格を基準に課されるが、当該価格が争われた事件で、平成25年7月12日付で最高裁は新判断を示した。
原審の東京高裁は、自治体側が証拠で出してきた鑑定書をもとに、登録価格は適正な時価を上回っておらず、違法は生じないとした。最高裁は同判決を破棄し、原審に差し戻した。
(評)
地方税法は、土地課税台帳又は土地補充課税台帳に課税基準となる価格(登録価格)を登録しており、この価格は「適正な時価」をいう(341条5号)。上記の適正な時価とは、客観的な交換価値をいい、登録価格が客観的な交換価値を上回れば、その登録価格の決定は違法となる(最高裁平成15年6月26日第一小法廷判決)。
また、地方税法は、固定資産をどのように評価するかについて、全国共通の評価基準を設け(388条1項)、この基準に従って固定資産の価格を決定しなければならないとしている(403条1項)。
地方税法341条5号だけを基準に判断すれば、原審判決の判断は間違ってはいない。
しかし388条1項が全国統一の基準を定め評価の不均衡を解消しようとした趣旨に鑑みれば、登録価格が「適正な時価」をたとえ下回っていたとしても、388条1項の評価基準によって決定される価格を上回っていれば違法となると判断した。
私もこの判決には賛成だ。元々登録価格は時価より低く定めてある。ところが他の土地は時価より安い額を基準に固定資産税額が決められているのに、自分の所だけ時価に近い金額を基準に固定資産税を定められたとしたら、不公平に思うだろう。そう言った不公平感をなくすために、国が一律の評価基準を定めているのであるから、同基準に反する評価をされたら違法とするのが正しかろう。
※参照
平成25年7月12日 最高裁第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130712154339.pdf
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年07月19日
法律事務所ホームワン