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国家戦略特区、雇用の提言 雇用条件明確化と有期雇用の特例
国家戦略特区とは、「居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成」、「医療等の国際的イノベーション拠点整備」といった観点から、特例的な措置を組み合わせて講じ、成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するため、「国家戦略特区」を作って、その中で大幅な規制緩和を行い、その後の規制・制度改革のための突破口としようというものである。
具体的には、医療、雇用、教育、都市再生・まちづくり、農業、歴史的建築物の活用の各分野において、国家戦略特区関連法案を臨時国会に提出するための骨格づくりを担っている。
同ワーキンググループは10月18日付で、国家戦略特区において検討すべき規制改革事項として医療、雇用について提言を行ったが、以下雇用についての提言を紹介する。
特区内で、新規開業直後の企業及びグローバル企業等が、優秀な人材を確保し、従業員が意欲と能力を発揮できるよう、以下の規制改革を認めるとともに、臨時国会に提出する特区関連法案の中に必要な規定を盛り込む。
(1) 雇用条件の明確化
・ 新規開業直後の企業及びグローバル企業等が、我が国の雇用ルールを的確に理解し、予見可能性を高めることにより、紛争を生じることなく事業展開することが容易となるよう、「雇用労働相談センター(仮称)」を設置する。
・ また、裁判例の分析・類型化による「雇用ガイドライン」を活用し、個別労働関係紛争の未然防止、予見可能性の向上を図る。
・ 本センターは、特区毎に設置する統合推進本部の下に置くものとし、本センターでは、新規開業直後の企業及びグローバル企業の投資判断等に資するため、企業からの要請に応じ、雇用管理や労働契約事項が上記ガイドラインに沿っているかどうかなど、具体的事例に即した相談、助言サービスを事前段階から実施する。
(2) 有期雇用の特例
・ 例えば、これからオリンピックまでのプロジェクトを実施する企業が、7年間限定で更新する代わりに無期転換権を発生させることなく高い待遇を提示し優秀な人材を集めることは、現行制度上はできない。(本日付の日経朝刊1面によれば現行5年となっている)
・ したがって、新規開業直後の企業やグローバル企業をはじめとする企業等の中で重要かつ時限的な事業に従事している有期労働者であって、「高度な専門的知識等を有している者」で「比較的高収入を得ている者」などを対象に、無期転換申込権発生までの期間の在り方、その際に労働契約が適切に行われるための必要な措置等について、全国規模の規制改革として労働政策審議会において早急に検討を行い、その結果を踏まえ、平成26年通常国会に所要の法案を提出する。
以上の趣旨を、臨時国会に提出する特区関連法案の中に盛り込むものとしている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/pdf/kettei.pdf
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2013年10月21日
法律事務所ホームワン