企業法務コラム

金融庁、「経営者保証に関するガイドライン」案を公表(1)

金融庁、「経営者保証に関するガイドライン」案を公表(1)

平成25 年12 月5日、経営者保証に関するガイドライン研究会において、銀行等の金融機関における自主基準として「経営者保証に関するガイドライン」が定められ、平成26年2月1日から適用が開始されるが、その内容が、金融検査マニュアルにも取り入れられることになった。平成25年12月27日、金融庁が同案を公表。パブリックコメントの提出期限は平成26年1月27日午前12時と定められた。

これにより、金融検査マニュアル中「金融円滑化編チェックリスト」にこちらの文言が付け加えられる。

※参照
平成25年12月27日 金融庁ホームページ
「主要行等向けの総合的な監督指針」及び「金融検査マニュアル」等の一部改正(案)の公表について

(評)
経営者保証に関するガイドラインは、金融機関等の自主的基準ではあるが、既に銀行協会等のHPでも紹介されており、実務は既にこの方向で動き始めている。今回これが金融検査マニュアルにも取り入れられるようになった。
同ガイドラインに基づき、金融検査マニュアル改定案でも、「停止条件又は解除条件付保証契約、ABL(Asset Based Lending)等の経営者保証の機能を代替する融資手法のメニューの充実」がうたわれているが、具体的にどのようなメニューを作るかは各銀行に委ねられている。しかしとりわけ対応が注目されるのは信用保証協会であろう。停止条件付または解除条件付保証契約も、おおよその方向は示されているものの、これをどういう文言にして行くかは今後の検討課題だ。またABLについても、評価基準、適用資産の範囲、担保実行時の現金化方法等解決すべき課題は大きい。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹

2014年01月07日
法律事務所ホームワン