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水道管工事で酸欠事故 なぜ何度も繰り返すのか
1月10日、神奈川県横須賀市で、作業員数人が下水管のマンホール内で、下水管の空気抜きバルブの交換作業工事中、異臭が発生。男性作業員4人が倒れ、うち2人が意識不明の重体。消防により硫化水素ガスの発生が確認された。
※参照
2014年1月10日 朝日新聞デジタル
「マンホール内で硫化水素発生 作業員4人倒れ2人重体」
(評)
下水道管路施設は、「労働安全衛生法施行令別表第6」で硫化水素中毒又は酸素欠乏症にかかるおそれのある場所とされており、作業方法、作業環境の整備に必要な措置は「酸素欠乏症等防止規則」により定められている。同規則によれば、マンホール内作業の場合、その日の作業を開始する前に、空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならないとされており、空気中の酸素の濃度を18%以上、かつ、硫化水素の濃度を100万分の10以下に保つように換気しなければならない、とされている。ただ法律だけでは安産管理上不十分であり、日本下水道管路管理業協会が発行する下水道管路施設維持管理マニュアルにしたがった作業手順を経るべきであろう。
報道によれば、事前に酸素等の濃度を測定したが異常はなかったというが、検査機械の作動を検査したか、現場主任が検査機の操作に習熟していたか、作業場所について垂直方向及び水平方向にそれぞれ 3 点以上、かつ全体で検査したかが、検討されなければならない。特に、汚泥が堆積する管きょ内で作業する場合は、送気マスクを装着しながら汚泥を攪拌して濃度測定を実施する必要がある。また、硫化水素の発生や酸素欠乏となることが予想される箇所については、常時測定器を携帯し、常に安全を確認しながら作業を進めることが必要だ。
マンホール内は常に酸素濃度、硫化水素濃度が安定している訳ではない、管を取り換える際管内の硫化水素が一時期に発生されることもあるし、汚泥を攪拌すればそこでも硫化水素は発生する。マンホール内でも経常的に酸素等の管理が果たされていたのだろうか。マンホール内の作業は、硫化水素、酸欠による労災事故が極めて多い。しかも同じような事故が繰り返されている。
http://www.mlit.go.jp/common/000109958.pdf#search='%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB+%E6%B1%9A%E6%B3%A5+%E6%94%AA%E6%8B%8C
法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹
2014年01月22日
法律事務所ホームワン