企業法務コラム

マイナンバー制で徴税体制強化

代表の山田です。

8月3日付日本経済新聞朝刊によると、マイナンバー制度により、国税庁職員2000人分の仕事が減るらしいです。
国税庁はその余った人員を徴収部門に充て、滞納している税金の回収を強化する。政府はこれにより税収が2400億円増えると試算しています。
さらに気になるのはマイナンバーと預金口座の紐付けです。現行法はこれを認めていませんが、政府はさらに法改正を行い、預金へのひも付けを認めようとしています。既に、政府と銀行業界とのすり合わせが始まっており、2018年度から新たに開く口座にマイナンバーを記載させ、その後、既存の口座にも拡大するという方向にあるようです(2015年3月18日付日経)。
現行法では、税金、社会保険、災害の3分野に、マイナンバー制度の適用が限られるため、法改正が必要になります。しかし、サラリーマンからすると、自営業者に対する税負担の不公平感が根強くあり、さらに脱税対策、マネーロンダリング阻止、生活保護の不正受給の摘発等の大義名分もあるため、法改正は動かせないでしょう。財務省=政府の狙いも、むしろここにあると思われ、紐付けは必至でしょう。

2015年08月04日
法律事務所ホームワン