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【企業法務】創業融資の個人保証不要に? 政府新方針
5月29日付日本経済新聞朝刊で、政府が6月にまとめる「新しい資本主義」実行計画の原案の概略が紹介されています。同紙の報道によると、創業融資については、個人保証を不要とする内容が含まれているそうです。
創業融資は融資の対象となる企業に実績が無いため、日本政策金融公庫からの融資か、信用保証協会の保証付で民間銀行から借りるしかありませんが、通常社長が個人保証をするよう求められるのが普通です。
社長が個人保証するとなると、いざ、起業が失敗すると、個人財産を失うか、廃業後も長期間返済を続けていかなければならなくなります。
政府の計画原案は、こうした個人保証が起業の妨げとなっているとの見地から、個人保証を不要にしようというのです。
よく、米国では銀行は企業融資に個人保証をつけないとよく言われていますが、必ずしも正確では有りません。
米国でも、業績のある企業でも、融資額が大きくなれば、当然保証人を取ります。そうした場合、融資先の企業の株式の20~30%を有する株主は、経営に関与していようといまいと、個人保証を求められるのが一般的だと言います。
個人企業の場合は、3割ほどは個人保証がとられるようですが、融資金額によって個人保証の有無を決めているのでしょう。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/chosakiho200708_02.pdf
政府も、個人保証を取らない場合は、貸し倒れリスクに応じて、金利は高くなる一方で、より低い金利を求めるのであれば個人保証をとることで、銀行のリスク管理上のバランスをとることを考えているようです。
2022年05月31日
法律事務所ホームワン