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B型肝炎で無症候性キャリアの場合、どれくらいが発症する?
目次
病院などで、B型肝炎に持続感染している、と言われたけど、特に症状もないため、通院や定期検査などは全くしていない、という方が多くいます。持続感染していても、肝炎を発症していない方を「無症候性キャリア」といいます。ここでは、無症候性キャリアについて説明をしていきます。
持続感染していると言われたけど、無症候性キャリアとは?
まず、持続感染とは、B型肝炎ウイルスが6か月以上に渡り、体内に残っている状態をいいます。一般的には「キャリア」といわれ、日本には約110~140万人以上いるとされています。
B型肝炎ウイルスに持続感染している方のうち、約80%強は肝炎を発病していない状態であり、それを「無症候性キャリア」といいます。
血液検査(ALTなど)は正常値であり、自覚症状もないことがほとんどです。
B型肝炎の無症候性キャリアはどのくらいの割合で発症する?
無症候性キャリアの方のほとんどは、生涯にわたり、肝炎を発病せずに経過しますが、約10~15%の方は、持続的な炎症を起こし続ける「慢性肝炎」を発症するといわれています。慢性肝炎の主な症状として、倦怠感や食欲不振などの症状があります。
さらに、そのうち、年2%の方が肝硬変や肝臓がんに進行するといわれています。
定期的な検査の必要性
肝臓は、「沈黙の臓器」といわれており、自覚症状が現れないことも多く、気づかないうちに重篤な病態に進行してしまう例も多く見受けられます。また、B型肝炎ウイルスは、C型肝炎ウイルスとは違い、投薬治療をしても、体内からウイルスを完全に排除することはできません。
ただし、核酸アナログ製剤を使うことにより、ウイルスの増殖を極力抑えることができ、慢性肝炎や肝硬変への進行を阻止することが期待できることから、B型肝炎ウイルスに持続感染している方は症状がなくても、定期的に検査を受け、病態が悪化していないかどうか確認することが必要です。
無症候キャリアとして和解すると?
無症候キャリアとして、国と和解できた場合、給付金と検査費用、感染防止のための医療費、検査手当等が支給されます。
1. 給付金額について
感染から20年経過している場合、給付金額は50万円となります(感染から20年未満であれば、600万円となります)。
2. 検査費用について
慢性肝炎等の発症を確認するための定期検査費用を国が負担してくれるため、無料で検査を受けることができます。
受けられる検査項目と回数は以下のとおりです。
- 血液検査:年4回まで
- 画像検査(腹部エコー):年4回まで
- 画像検査(CTまたはMRI):年2回まで
検査に付随する診療料(再診料など)、検査料、画像診断料なども無料となります。
3. 母子感染防止のための医療費
母子感染防止のため、和解成立後に子供を出産した時に、母子の血液検査費用や子供に対するワクチン等の投与費用が一定限度支給されます。
4. 世帯内感染防止のための医療費
世帯内感染防止のため、和解成立後に無症候性キャリアの方と同居することになったご家族に対するワクチン投与及び投与前後の血液検査費用が一定限度支給されます。
5. 定期検査手当(15,000円/回、年2回まで)
上記2.の定期検査を受けた方について、定期検査手当として、定期検査1回につき1万5千円(定額)を請求することができます(毎年1〜12⽉の間に2回、合計3万円まで)。
もし、病状が悪化したら…追加給付金がもらえます。
上述したとおり、無症候キャリアのうち、約10~15%の方が、慢性肝炎が発症する可能性があり、そのうち、年2%の方が肝硬変や肝臓がんに進行する、といわれていることから、無症候キャリアとして国と和解した場合、給付金の他に、病態が悪化していないかどうか確認するために検査費用等を支給することになっています。
定期検査の結果、万が一、病態が悪化したことが確認できた場合、国は、その病態に対する給付金を追加で支払うことになっています(追加給付金)。 詳しい金額等は、以下の通りとなります。
無症候性キャリアから病状が進行した場合の追加給付金額
和解時の病状 | 進行後の病状 | ||||
---|---|---|---|---|---|
死亡 | 肝がん | 肝硬変 | 肝硬変 (軽度) |
慢性肝炎 | |
感染後20年が経過していない | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 1,900万円 | 650万円 |
感染後20年が経過 | 3,600万円 | 3,600万円 | 3,600万円 | 2,500万円 | 1,250万円 |
しかし、症状がないからといって、全く手続きをせず、請求期限が過ぎてしまったあとに、病態が悪化したとしても、給付金を受け取ることはできませんので、症状がなくても、手続きをしておくことが重要となります(現在の法律では、2027年3月31日までに提訴することが必要です)。
また、追加給付金請求には、時効があり、病態悪化を知ったときから5年が経過すると、受け取れなくなりますので、注意が必要です。
手続きはお早めに
無症候性キャリアの場合、受け取れる給付金額は50万円であり、また症状もないことから、手続きの煩雑さや給付金の少なさから、手続きをしないことを選択される方も多くいます。
しかし、無症候性キャリアであっても、慢性肝炎を発病する可能性があり、さらには、肝硬変や肝臓がんに進行することもあります。
無症候性キャリアであっても、手続きを行ない、国と和解することで、給付金を受け取ることができ、さらに無料で定期検査を受けられます。
万が一、病態が悪化したときには、追加給付金も支払われることから、今だけの状態で判断するのではなく、将来を見据えて、手続きをしておくことがとても大切になります。 給付金請求期限は、2027年3月31日までとなっていますので、無症候性キャリアの方も、お早めに相談することをおすすめします。
B型肝炎で無症候性キャリアの場合、どれくらいが発症する? まとめ
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B型肝炎の無症候性キャリアとは?B型肝炎ウイルスに持続感染している方のうち、約80%強は肝炎を発病していない状態であり、それを「無症候性キャリア」といいます。
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無症候性キャリアはどのくらいの割合で発症する?無症候性キャリアの方のほとんどは、生涯にわたり、肝炎を発病せずに経過しますが、約10~15%の方は、持続的な炎症を起こし続ける「慢性肝炎」を発症するといわれています。
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無症候キャリアとして国と和解するとどうなる?無症候キャリアとして、国と和解できた場合、給付金と検査費用、感染防止のための医療費、検査手当等が支給されます。
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