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- 「相続、手続きを間違えるとタイヘン」編
相続、手続きを間違えるとタイヘン
2014年2月25日に文化放送「くにまるジャパン」に出演した際に話した内容を掲載しています。 テーマは「相続、手続きを間違えるとタイヘン」です。
- パーソナリティ
- 今週は、相続も、きちんとした手続きを踏まないと、とんでもないトラブルが起きかねないと言うお話です。前回も伺いましたが、相続する資格を持つ人、全員が「遺産分割協議」を行って、みんなが納得すれば、遺産の分け方については円満解決するんですよね。
- 弁護士
- その通りです。皆さんが納得しているなら、法律で定められた「法定相続分」とは関係なく、また遺言書にも関係なく、遺産を分けられます。
先週も挙げた例ですが、お父さんが亡くなって、お母さんとお子さん2が相続人。
財産はご両親が暮らしていた家だけという場合。子供にも4分の1ずつの取り分が法律的にはありますが、お母さんに「そのまま暮らし続けて」というケースが多いと思います。
この場合、遺産分割協議を行なって、子供たちの取り分をゼロと決めておけば、それで円満解決となるわけです。 - パーソナリティ
- 「相続放棄」という言葉を耳にしますが、この場合は違うんですか?
- 弁護士
- ここで今日のテーマに関わってくるのですが、「遺産分割協議」ではなく「相続放棄」を行ってしまうと、お母さんの相続の結果が大きく変わる可能性があるということ。
「相続放棄」というのは、親が亡くなって、自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に書類で申請するものです。ただ、この手続きをしたら、もともと相続の権利を持っていた人でも「はじめから相続人ではなかった」とみなされてしまいます。ここがポイントです。 - パーソナリティ
- 相続との関係では「赤の他人」になっちゃう! カヤの外ってことですか。
- 弁護士
- ではどうなるかというと、相続は法律で順番が決まっていて、妻のほか、子供がいなければ両親、両親がいなければ兄弟のところに、相続財産が行くことになります。
つまり、子供が相続放棄の手続きをしたら、「いなかった」ことになりますから、おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさんにも、相続する権利が発生する可能性がでてくるわけです。お父さんの遺した家をお母さんにプレゼントするつもりが、さらにややこしい事態を招いてしまうことになるわけです。 - パーソナリティ
- 善意がとんでもない事態を招いてしまう。それはマズいですよね!
- 弁護士
- その通りです。ですから、お母さんに住み続けてもらうには、「相続放棄」をするのではなく、「遺産分割協議」を行い、母の取り分を100、子供をゼロと定めるべきなんですね。
子供がうっかり「相続放棄」をしてしまうと、場合によっては、おじさん、おばさんに「すみません、こういう事情なんで、相続放棄してくれませんか」とお願いして回らなければならなくなったりするわけです。 - パーソナリティ
- 相続放棄というのは、重い決断なんですね。自分の取り分はいらないよ、っていう意味で、「いいよ、おふくろ使ってくれよ」と簡単に言ってしまうこともありそうな気がしますが…。
- 弁護士
- おっしゃるとおりで、法律上の「相続放棄」は、家庭裁判所を通して行う手続きで、「はじめから相続人ではなかった」とみなされる、という重要な意味合いをもつものなんです。
では、どんなときに「相続放棄」をするかといえば、親が多額の借金を抱えて亡くなった時、子供がそれを相続しなくてもいいように、というのが、「相続放棄」の主な利用法なんですね。
ただ、この場合も、「借金」が、おじいちゃんおばあちゃんや、叔父さん叔母さんに行ってしましますから、迷惑をかけないためには、順次、相続放棄してもらう必要がありますよ。 - パーソナリティ
- これは素人にはわからないですね。相続について、何か決めるときは、ちゃんと専門家に相談するのが、トラブル回避のための賢い方法なんですね。
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