遺産分割協議って?

2014年2月18日に文化放送「くにまるジャパン」に出演した際に話した内容を掲載しています。 テーマは「遺産分割協議って?」です。

パーソナリティ
今日は「相続」の話題、「遺産分割協議」のお話です。「遺言書を作りましょう」と、繰り返しご案内してきましたが、遺言がないケースでは、どうやって分けるか、という話です。
弁護士
遺言書がない場合、誰がどの財産をどれだけ相続するか、相続人全員で話し合いをして決めます。これが「遺産分割協議」です。
パーソナリティ
たしか、相続人の取り分って、法律で決まってましたよね?
弁護士
おっしゃるとおり、法律で定められた「法定相続分」というものがあります。たとえば相続人が妻と二人の子供の場合、妻が半分、子供は4分の1ずつ…と決まっています。
  
パーソナリティ
遺言がないなら、法律の通りに分ければいい気がしますが?
弁護士
相続財産がすべて現金なら、「法律のとおりに分けましょう」、ということで、話がつくかもしれません。でも、相続財産が土地・建物だけという場合、3等分できませんし、既に家を持っている、なんて人は現金が欲しいでしょう。一筋縄にはいかないわけです。
パーソナリティ
そこで、相続人全員の話し合い、「遺産分割協議」が必要、ということですね。ただ「相続人全員」というハードルは高いですよね。全員が納得できるとは限らないですし、音信不通の兄弟がいる場合もあるでしょうし…。
弁護士
それでも、1人でも欠けると、遺産分割協議は無効です。
パーソナリティ
かなり厳格なんですね。
弁護士
一方で、全員が納得しているなら、法定相続分とは関係なく、さらに、遺言書とも関係なく、遺産を分けることもできるんです。
たとえば、お父さんが亡くなって、お母さんとお子さん2人が相続人。財産はご両親が暮らしていた家だけというケースでは、子供たちが納得して「俺たちは大丈夫だからお袋が住み続けてよ」なんてケースの方が多いでしょ?
パーソナリティ
全員が納得していれば、円満解決ということですね。
弁護士
遺産分割には3つの方法がありまして、遺産そのものを現物で分けるのを「現物分割」といいます。今の例だと「家」という現物を、妻がすべて相続して、2人のお子さんの取り分はゼロ。これで円満解決です。
パーソナリティ
ただ、子供たちが納得しない場合もありますよね。
弁護士
その場合は「代償分割」という方法が考えられます。これはある人が法律の取り分以上の分けられない財産を得る場合、取り分以上の分のお金を、他の人に支払う…というやり方です。
たとえば、先ほどのケースで、家に4000万円の価値があったとしましょう。妻は半分の2千万、子供たちはそれぞれ1000万ずつ取り分があります。そこで、妻が4000万円の家を手に入れる代わりに、2人の子供には、1000万ずつ支払うというやり方です。
ただお金を用意するのは現実的に難しい…となると、3つ目の「換価分割」という方法が考えられます。
パーソナリティ
「換価」というのは…
弁護士
交換の換に価値の価、つまりお金に換えるということ。遺産を売却して金銭に替え、それを分割するやり方です。
ただこの場合、今度は住んでいた家を出なければならないし、新たに住居費がかかるので、できれば、お母さんとしては避けたいですよね。このように、遺言がなく、さらに遺族の間で話し合いがつかないと、もめる可能性があるんです。
パーソナリティ
もし相続に関して家族の間でトラブルが起きてしまった…、まさに骨肉の争いというときには、早めに専門家に相談した方がよさそうですね。

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